リフォームの知識

地震で瓦屋根が落ちる家の特徴とは?

編集長、地震によって瓦屋根がずれて落ちている映像を見たんですが、瓦屋根って地震に弱いんですか?
キャサリン
キャサリン
編集長ミッツ
編集長ミッツ
それは聞き捨てならないな。瓦屋根は他の屋根材と比べると耐久性が高く、きちんと施工すれば地震・台風にも耐えられる性能があるんだ。
瓦屋根に対する誤解をミッツが解いていこう。

 

2019年(令和元年)6月18日に起きた新潟・山形地震では、瓦屋根がずれて落ちている映像をテレビでよく見ました。

映像を見ていて、「瓦屋根は地震に弱い、危ない」と感じた方は多いのではないでしょうか?

私も「この映像を見ると、これから家を建てる人が瓦を選ぶ数がより減るのではないか」と感じていました。

そんな中、全国陶器瓦工業組合連合会など関連団体が共同で瓦屋根の安全性に関する見解を発表したと石州瓦工業組合より連絡を受けました。石州瓦工業組合の担当者に詳しく話を聞くと、瓦屋根の安全性に関する報道で勘違いをしている点も多くありましたので、ご案内します。

下記の写真のように、今回の地震では瓦屋根の被害が出ています。

※写真は河北新報ONLINE NEWSより
(https://photo.kahoku.co.jp/graph/2019/06/20/01_20190620_73020/001.html)

ただ、よく見ると奥の建物も瓦ですが、ずれたりはしていません。つまり、地震で被害が出た瓦屋根がある一方、被害の出なかった瓦屋根もあったということです。

2001年(平成13年)に瓦屋根の業界では、地震や台風に耐えられる性能を確保する仕様・工法を確立し、「瓦屋根標準設計・施工ガイドライン」を発行しています。このガイドラインに沿った施工を行っている瓦屋根については、東日本大震災や熊本地震でも安全性が確認されているそうです。

詳しくは、全国陶器瓦工業組合連合会のHPをご覧ください。

つまり、被害にあった瓦屋根はガイドラインが出来る前に施工されたものと言えます。もちろん、被害が起きていることは事実で、被災された方には心よりお見舞い申し上げます。

ただ、ここでお伝えしたいことは、「瓦屋根は地震に弱くて危ない訳ではない」という点です。ガイドラインに沿った施工をすれば地震・台風にも耐えられる性能があるということです。

実は今回の地震で、小学校の相撲場が倒壊したという報道もありました。柱が3本折れて倒壊し、下記のような状態になっています。

※写真はTHE SANKEI NEWSより
(https://www.sankei.com/affairs/photos/190619/afr1906190036-p1.html)

この写真を見て、屋根を瓦屋根と思う方が多いのではないでしょうか?伝統ある相撲場だから瓦屋根というイメージもあると思いますが、こちらは金属屋根です。記事のタイトルには「屋根倒壊」とは書いていますが、「金属屋根倒壊」とは書かれていません。これが瓦屋根だと、「瓦屋根倒壊」といった形で報道されてしまいます。

ちなみにこの写真は、柱は倒壊していますが、屋根は倒壊していません。それにも関わらず「屋根倒壊」と書かれている点はおかしいと思います。

屋根材には、瓦屋根のほかに、金属屋根、スレート屋根といった種類があります。地震では金属屋根やスレート屋根が倒壊をしているのにも関わらず、「金属屋根は地震に危ない」「スレート屋根は地震に危ない」と思う方は少ない一方、「瓦屋根は地震に危ない」と思う方が多い。これはテレビ、新聞の報道の仕方が大きく影響していると言えるでしょう。

瓦屋根は他の屋根材(金属屋根・スレート屋根)などと比べて、耐久性が高く、初期費用はかかるものの、メンテナンスのコストが抑えられる、優れた製品です。

屋根材の耐用年数の違い
カラー鉄板(瓦棒葺き)・・・・・・・15年
ガルバリウム鋼板葺き・・・・・・・ 30年
カラーベスト葺き(薄型スレート)・・30年
粘土瓦葺き・・・・・・・・・・・・ 60年
※CASBEE(建築物環境性能評価)HPより

 

こちらは屋根のリフォーム写真です。左側はスレート屋根で劣化するのが早く、何度も塗り替えをしていました。塗り替え時は、足場を組む必要があり、その度に家の中が暗くなり我慢を強いられていました。右側は石州瓦に葺き替えた写真ですが、耐久性が高くメンテナンスコストも抑えられ、且つ家のイメージも変えることが出来ています

屋根材にはそれぞれの特徴があるので、瓦屋根が最も良いと言っているわけではありません。ただ、地震で瓦屋根の被害が起きるたびに、瓦屋根のイメージだけが悪化している点はおかしいと思っていましたので、コラムでご紹介しようと思いました。

これから屋根のリフォーム、あるいは家を建てる方の参考になればと思います。

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この記事の監修

平原 充明

HIROSHIMA REFORM 編集長。インテリアコーディネーター、住空間収納プランナーの資格を保有。広島リフォーム相談カウンターの運営も行う。

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