リフォームの知識

【築130年・古民家】伝統工法を理解したリフォーム会社を探しています

今回は、築130年の古民家リフォームを検討中のご夫妻の相談事例をご紹介します。

 

ご相談者様

実家の古民家で母と同居するためにリフォームを考えています。
古い家ならではの良さを活かしてリフォームしてくれる会社はありませんか?

【DATA】廿日市市 Hさまご夫妻(50代)、お母さま(70代)
●工事希望時期/未定
●予算/2000~2500万円
●建物の状況/古民家・築130年

 

ご相談の内容

伝統工法を活かしたリフォームがしたい

実家は築130年ほどですが、伝統工法を駆使して作られた日本家屋ならではの佇まいを大変気に入っています。
古民家の良さを活かしたリフォームができませんか?
編集長ミッツ
編集長ミッツ
古民家には現代の住宅にはない魅力がたくさんありますね。けれど、伝統工法に対応できる技術を持っている会社は少ないので会社選びには注意が必要です。

 

【伝統工法に対応できる職人はごく一部

現代工法で建てられた一般的な住宅と違い、古民家は木組みを中心とした伝統工法で造られています。古民家の魅力である伝統工法を活かしながらリフォームを行うためには、旧来の伝統工法に対応できる高い技術はもちろん、構造面・耐震面も含めた古民家ならではの特性への理解が必要となります。

例えば古民家で使われる「組木」という建築技法は、木材の接合部を凹凸に加工してはめ合わせることで建物の骨組みを作っていきます。

リフォームではこの写真のように、柱の傷んだ部分だけを取り除き、その部分に新しい木材を継手ではめ合わせるという技法も良く用いられます。釘を使わず、部材に「キザミ」を入れることで、木材の強度を保ちながらしっかりと組み合わせることができます。
こうした技術は現代工法ではほとんど用いられることはないため、技術を受け継いだ職人の数はどんどん少なくなっているのが現実です。

古民家再生に力を入れている会社では、こうした日本古来の建築技法を継承し、職人の高度な技術を保つ努力を続けています。このようなリフォーム会社を選べば、古民家のリフォームも安心して任せることができます。

古民家リフォームには伝統工法に対応できる技術が必要なんですね。
職人さんたちの技術のすごみが少し分かった気がします。

編集長ミッツ
編集長ミッツ
こうした職人たちの技を活かし、美しく再生していくことが古民家リフォームの何よりの魅力です。
そのためにも、リフォーム会社選びは慎重に行ってください。

 

 

耐震面が心配。古民家に適した耐震補強は?

かなり古い家なので、地震が心配。耐震性能はしっかり向上させたいと思っています。
編集長ミッツ
編集長ミッツ
古民家の耐震リフォームにはさまざまな考え方がありますので、詳しくご説明しましょう。

 

【古民家の耐震補強には注意が必要】

地震に備えるための建物の構造には「耐震構造」「制震構造」「免震構造」があります。

免震・制震(制振)・耐震構造とは?

写真:ALSOKより

現代工法で採用されているのは主に「耐震構造」で、基礎をコンクリートなどで固め、壁・柱を筋交いや金物などで補強することで揺れに強い構造を作ります。

一方、古民家で採用されているのは揺れを受け流すように作られた「免震構造」です。法隆寺などの寺社仏閣はもちろん、東京タワーやタワーマンションなどの高層建造物にも用いられている工法です。

免震工法では、写真のように「束(つか)」と呼ばれる何本もの木材の足が建物全体を支えてます。束は「束石」と呼ばれる平らな石に載せてあり、いわば小さな石の上に大きな建物が載せられている状態と言えます。
現代工法では、建物の土台を基礎に固定することで耐震性を高めていますが、古民家の場合は基礎を固定せず、束石の上に頑強な木造建築をただ載せておくことで地震の力を直接建物に伝わらないような構造になっています。いざ地震が起きたとき、この束と束石がズレたり、建物がしなったり曲がったりすることで、地震の力を散らして建物を守ることができると考えられています。

こうした免震構造で造られている古民家に安易な耐震補強を行ってしまうと、かえって耐震性能を弱めてしまうリスクがあります。耐震・制震・免震それぞれのメリットとデメリットを理解し、古民家の構造にも精通したリフォーム会社に任せることをおすすめします。

地震に備えるための構造に、そんな違いがあるとは知りませんでした。
違いや注意点もよく分かりました。

編集長ミッツ
編集長ミッツ
それは良かったです。
他にもご質問はありますか?

 

寒さを解消したい

家中が寒いので、断熱性能もしっかり向上させたいです。
古民家での注意点はありますか?
編集長ミッツ
編集長ミッツ
上記の免震構造に関連した注意点が考えられます。
どんな断熱リフォームが方法が考えられるか、簡単にご説明しましょう。

 

【断熱リフォームは免震構造との兼ね合いに注意】

断熱リフォームには、主に以下の方法があります。

・窓を断熱性能の高いサッシやガラスに交換する方法
・天井や壁、床などに断熱材を入れて外気からの影響を遮断する方法

それぞれの注意点について説明しましょう。

古民家の断熱は「窓」が先決

窓は家の中で一番熱が出入りする場所と言われています。古民家では木製のサッシが使われていることが多く、老朽化などによりすき間風が吹き込む原因にもなります。
よって、古民家の断熱ではサッシの交換が先決となります。二重窓の設置や、断熱性の高い二重ガラス・真空ガラスなどへの交換なども含め、窓の断熱は大きな効果を生むと考えられます。

 

【断熱材は入れる箇所に注意】

外気からの影響を遮断する断熱材を入れる方法もありますが、古民家の場合は入れる箇所に注意が必要です。

△断熱材の施工例/天井にはガラスを繊維状にした断熱材(グラスウール)、壁にはフェノール樹脂に硬化剤などを加えてボード上にした断熱材がはめ込まれています

 

断熱性能を向上させるためには、断熱材を壁にすき間なく充填する必要がありますが、そうすることで古民家の免震構造(前章参照)の効果を損なってしまう場合があります。
そのため、古民家では天井と床だけに断熱材を入れるという場合も少なくありません。断熱材を入れる箇所は構造との兼ね合いで変わりますので、リフォーム会社とよく相談しておくことが大切です。

構造面との兼ね合いで、断熱でもできることとできないことがあるんですね。
窓の断熱も含めて、とても参考になりました!
編集長ミッツ
編集長ミッツ
お役に立てて何よりです。
古民家には独特の性質がたくさんありますので、旧来の日本家屋に精通したリフォーム会社に相談しながら進めると安心です。

 

ご相談の結果

  • 日本家屋の伝統工法を活かしたリフォームが提案ができる会社をご紹介しました。

日本家屋ならではの魅力を十二分に感じていらっしゃるHさま。伝統工法をフルで活かしたリフォームがしたいと考えていらっしゃいました。
そのご要望に応えるには、伝統工法への正しい理解と専門性、高い技術を持った職人の力が不可欠です。

そこで、古民家リフォームに豊富な実績を持ち、伝統工法に精通した職人が多数在籍しているリフォーム会社をご紹介しました。木組み、免震構造、意匠などと言った旧来の家づくりの良さを残しつつも、現代の生活様式にもマッチした設計・デザインを得意とする会社ですので安心してご相談ください、とお伝えしました。

 

お客さまアンケート

Q:リフォーム相談カウンターの満足度を教えて下さい
A:5点(5点満点中)

Q:相談はしやすかったですか?
A:5点(5点満点中)

Q:相談内容についてのご感想を教えて下さい
A:リフォームのアイデアや気づきが得られた。リフォームへの興味や理解が増し、注意点なども分かって良かった。

Q:紹介を受けるリフォーム会社についてどう思いますか?
A:信頼できると思う。

広島リフォーム相談カウンターでは、広島のリフォーム会社を熟知した編集長が、お客様のご要望を伺ったうえで、お客様にピッタリのリフォーム会社をご紹介しています。

編集長ミッツ
編集長ミッツ
当カウンターは、リフォーム会社ではありません。中立・公平な立場でご提案しております。
ご自身で複数のリフォーム会社に問い合わせる手間なども省け、また、リフォーム会社に相談しにくいことなども、遠慮なくご相談いただけます。
安心して、お気軽にご利用下さい。

この記事の監修

平原 充明

HIROSHIMA REFORM 編集長。インテリアコーディネーター、住空間収納プランナーの資格を保有。広島リフォーム相談カウンターの運営も行う。

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